Date / 12/2023
Vernacle(ヴァナクル)とのプロジェクトで、自社商品の開発を提案する機会を頂きました。Vernacleに参画している作家が持つそれぞれの技術や素材の特性を伺い、革小物を製作している井組裕介さんにフォトフレームを依頼。コンセプトは「持ち運べるフォトフレーム」です。モビリティが発達し、多拠点生活などがますます普及する未来において、大切な人の写真を入れたフォトフレームを手軽に運ぶことができたら素敵だなと思いました。また、写真立ては木製やシルバーなどの硬質なものが多く、レザーのソフトな質感で表現してみたいという気持ちもありました。
試作段階ではレザーのしなり具合を調整するために何度も漉いてもらったり、持ち運ぶ際に破損するリスクからガラスではなく透明度の高いアクリルをいくつも試しました。また、写真を出し入れする際の滑り心地や強度、パッケージまで綿密に打ち合わせを重ねることで、「自分が何を目指しているのか」という気付きを得る経験にもなりました。
結果、縦にも横にもスムーズに立てかけることができ、持ち運ぶときにはスタンド部分を折り返せば写真の面を保護できる合理的なポータブルフォトフレームが完成。カラーはあえてヌメ革にすることで、日焼けなどによる経年変化を楽しめるようにしました。今後はカラー展開やサイズのバリエーションを増やすなど、マーケットニーズと連動しつつもオリジナルの商品を開発していきたいと思います。